早朝の窯出し

窯内の温度が100度近くまで下がってきたので、今朝5時に窯出しをしました。出勤前に工房に行って窯出しをしたのは初めてです。いつもなら寝ている時間帯なのに、昨晩工房で温度を確認したら翌朝になれば窯出しが出来ると判断し、それなら出勤前にひと仕事をしておこうと決めたのでした。5時前の目覚ましの音で飛び起きて、まだ明けやらぬ空を眺め、懐中電灯で足元を照らしながら工房へ続く畑の小路を歩いていきました。慣れているはずの作業ですが、窯の前に立つと緊張が走ります。窯の扉を開けて中を確認する時、ハラハラドキドキするのは私だけではないと思います。陶に携わる人々全員がハラハラドキドキしているはずです。何とか成功してホッと胸を撫で下ろしたところで、暫し力が抜けてボンヤリしてしまいました。ふと出勤時間のことが頭を過って慌てて自宅に戻りました。仕事用のスーツに着替え、早々に朝食を済ませて通勤客の一人に身を投じました。仕事に全てを絡み取られる日常が始まりました。朝、窯の前で佇んだことは夢か幻か、そんな違う世界で一日の大半を過ごしている自分が不思議です。

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