創作のための環境

どんな創作であれ生活環境が及ぼす影響はかなりのものがあると考えます。自分が大学を出る時に、今まで学んできた彫刻を、親の実家でどうやったら作れるだろうか本気で思い悩みました。実は彫刻なんて作れる環境ではないと半ば諦めていたのです。家業が造園業であったにも関わらず、大学でやっていた塑造と亡父の営んでいた造園業の間には随分隔たりがあると感じていました。自作のことを「集合彫刻」とか「場を演出するための装置」と考えるに至るまでには相当な時間が必要で、それがイメージされて初めて家業の造園と自分の世界観が繋がっていると思った次第です。亡父の残してくれた植木畑に工房を建て、ようやく彫刻に必要な環境を手に入れたのはわずか2年前のことです。それまでは借りものの作業場があり、それでも彫刻を作れる喜びがありました。初めから工房が用意されているような恵まれた環境であったら自分はどうしていたでしょう。素直に受け入れて、今より大きな世界観を持つ造形に取り組んでいるのかもしれませんし、容易く手中に出来たものなら、いとも容易く手離していたかもしれません。いずれにしても創作活動にはそれなりの環境が必要であることは確かです。現在、相原工房には若い作家の卵たちが出入りしています。彼らに必要とする環境を与えれば才能を伸ばすことも出来るし、環境の共有も社会的促進として創作には効果があると考えているところです。

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