画家キルヒナーと戦争
2011年 2月 24日 木曜日
20世紀初頭から第二次世界大戦のヒトラーの弾圧を受けるまで、ドイツは美術のエポックを迎えました。それがドイツ表現主義で、自分は学生時代から関心を寄せていました。まずコルヴィッツの版画が先陣を切って、自分の中に入り込んできました。そのうちエミール・ノルデやエーリッヒ・ヘッケルを知り、「ブリュッケ(橋)」や「ブラウエライター(青騎士)」というグループを知りました。エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーは「ブリュッケ」で活躍した画家で、コルヴィッツ同様にまず版画が眼に飛び込んできました。ギクシャクした戦慄を覚えるような画面に忽ち自分は虜になりました。画面に見え隠れする戦争の傷跡をテーマにした油彩や版画。そこに走る筆致に常軌を逸したものを感じるのは私だけでしょうか。キルヒナーは志願兵として軍務について、そこで精神的にも肉体的にも衰弱してしまい、サナトリウムで過ごした時期があったようです。きっと自分の滞欧時代に私はキルヒナーの油彩を見ているはずですが、木版画しか記憶に残っていないのです。分厚い書籍もウィーンで買ってきましたが、図版を見るだけで原著を読む気になれません。あまり日本で知られていないキルヒナーという表現主義の画家に、興味関心を持っていてもなかなか日本では資料が手に入りにくいのが現状です。
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Tags: ウィーン, ドイツ, 書籍, 版画, 画家, 芸術家
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