ドイツ表現派の書籍

「バルラッハ~神と人を求めた芸術家~」(小塩節著 日本キリスト教団出版局)を読んだ後に、「右手と頭脳~エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナー《兵士としての自画像》」(ペーター・シュプリンガー著 前川久美子訳 三元社)を読んでいます。ドイツ表現派(主義)に関する書籍は、我が国では大変少ないと感じます。都心の大手の書店でも僅かなものしかなくて、見つけ次第購入して読んでいるのです。カンディンスキーやマッケの「青騎士」は、既に和訳が刊行されていますが、キルヒナーのいた表現主義のグループ「ブリュッケ」に関する書籍は、ほとんど見当たりません。自分が滞欧していた頃に購入したドイツ表現主義の書籍は数々ありますが、今となっては原書で読むにはつらくなってしまいました。オーストリアから帰国して20年も経っているので自分のドイツ語は完全に錆びついて、目で文面を追ってもさっぱりわからないのです。キルヒナーに関する厚い書籍もありますが、書棚に仕舞いこんでいます。キルヒナーはどんな画家であったのか、気性の烈しい人だったのではないかと勝手に思い込んでいますが、「右手と頭脳」を読んで、キルヒナーの人となりを探ってみようと思います。

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