バルラハの思いを辿って…
2011年 2月 15日 火曜日
小塩節著「バルラハ~神と人を求めた芸術家~」(日本キリスト教団出版局)を読んでいると、ドイツの近代彫刻家エルンスト・バルラハの人間性に関わるところに魅かれて、その人から生まれる造形は然も有なんと感じてしまいます。「~略~バルラハという人には、およそ機敏さとか立ちまわりの早さ、峻敏さ、ウィットのはやさなどというものはまるでなく、つまり都会人らしさといったものがまったくなくて、ずんぐりと鈍重な、『六月の曇り空』のようなところと剛直なところがつよく、やはりこの人は北国の人だと思うのである。~略~」そんなバルラハの大地にどっしりと構えた彫刻に、じわりじわりと惹きつけられているのが今の自分です。ひらめきやきらめきを感じさせない代わりに、その重厚な存在感が脳裏に刻まれ、実材を借りて人間の根強さを表現していると思います。きっと日々アトリエで木や土に向かい、コツコツ作り上げていたのだろうことが想像されます。「~略~第二次大戦末期にこのアトリエはソ連軍のガレージとして接収され、数々の作品はガラクタとして庭に捨てられたが、シュルトが奔走して戦後接収を解除してもらい、バルラハ生前と同じ姿に戻り、高齢のシュルト夫妻が大事に管理した。~略~」というバルラハ周辺の事情が、妙に自分の心を捉えます。自分は実際に北独に行ってこの目で見てみたいという欲求を持ち続けています。
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Tags: ドイツ, 作品, 彫刻, 芸術家
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