クリスマス・イヴの今宵

誰にも信仰の心はあると思っています。その信仰する心にカタチを与えるのが宗教ではないかと考えます。自分のように先祖が浄土宗仏教で冠婚葬祭を行っていて、何となく仏教が身近にあるだけという者もいると思います。とりわけ仏教に信心しているわけではないので、親戚に熱心なキリスト教徒がいると宗教とは何だろうと考えてしまう場面があります。宗教の存在は国や地域の環境が大きく作用して、そこの土壌にあった信仰が生まれるのだと思います。滞欧生活の中でルーマニアやオーストリアで経験したクリスマスは、暮らしの中の必然な行事として自分の目に映りました。クリスマスで思い出すことは、いつも彼の地で過ごした時間に中にあります。教会で無心に祈りを捧げる人々の視線に、キリストの誕生を心から祝い、罪深き人の業への反省を見て取りました。だからといって自分にとってキリスト教を信奉する必然性は感じません。生活に密着していないからです。仏教もよくわかりません。ただ、信仰心は持っています。カタチが与えられない素の信仰心です。そんなことをクリスマス・イヴの今宵考えてみました。

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