「坪庭」の空間演出

京都あたりを散策すると、家の軒と軒に囲まれた小さな空間に小さな庭ができていて心が和みます。これはいわゆる「坪庭」で、一坪程度の空間を楽しむ日本独自の美意識だと思います。大きな都市計画については構築的とは言えない日本人ですが、個人専用の小さな空間ではその力を発揮し、隅々至るところまで美しく仕上げられている「坪庭」を観ると、これは日本人としての気質なのかもしれないと思っています。その空間演出が自分が作っている集合彫刻にもあるのではないかと思うこの頃です。自分にとって場という空間を意識した彫刻制作は、亡父が営んでいた造園業と密接な関係があります。前にブログに書いた記憶がありますが、つまり「坪庭」的発想が土台にあると言っても過言ではありません。「坪庭」には植栽や石の配置等がありますが、自分は陶彫と木彫の組み合わせで、場の演出を行っているのです。「坪庭」の空間演出がカタチを変えているように思えます。

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