ドガの彫刻試作

現在、横浜美術館で開催されている「ドガ展」には、デッサンや絵画の他に彫刻が出品されています。ドガは彫刻技法の中の塑造という可塑性のある素材を用いた立体造形をやっているのです。絵画と違って人の目に触れることの無かった塑造。これはドガ自身も発表する気がなかったようですが、この塑造がなかなか面白くて、ロダンを髣髴とさせるような造形感覚があるのです。ドガは絵を描くための形態把握として、踊り子や馬のさまざまなポーズを塑造にしているわけですが、大雑把に捉えた量感には彫刻家の習作と似たものがあって、自分は大変親近感をもつのです。それにしても上手いものだなぁと感心してしまいます。アトリエに残ったいくつかの彫刻を鋳造して、現在に伝えられ生き延びてきた作品群は、画家の試作とは思えないほど雄弁な表現であると改めて感じた次第です。

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