アンドレ・ブルトン再び

フランスの詩人でシュルレアリスムの提唱者であるアンドレ・ブルトン(1896~1966)は、学生時代に美術雑誌を通して知っていましたが、ようやく昨年の夏に著書「魔術的芸術」(河出書房新書)を読んで、ブルトンの思想の片鱗に触れることができました。その後、「瀧口修造全集」全13巻(みすず書房)に取りかかり、現在も尚とつおいつ読んでいる最中ですが、瀧口修造がブルトンに日本人として最も近い存在だったことは、著作の中で窺い知れます。「私がはじめてブルトンの名を知ってから、もうおよそ四十年近い年月が経つ。アンドレ・ブルトンとは誰か?という問いは、あまりにも個人的なものであり、学究とはまったく別に、私の内部で絶えず反覆されてきた。ときには青春の自由と愛の謎にみち、ときには悪夢と屈辱感とに伴われ、ときにはイリュージョンとまぼろしの彼方の透明な核のような存在として。そしてその上に建てられたシュルレアリスムという大きな標識。それがいまや多くの人々によって飴玉のようになめまわされ、吐きだされてすらいるのだが…。ブルトンの死はひとつの円環を閉じたことになると同時に、その結晶のようなヴィジョンと、しばしばポレミックと考えられていた運動の起伏とがひとつの源泉からきていることがやがて明快に証明されるであろう。~以下略~」(瀧口修造全集9)自分もそろそろ再びブルトンを読もうかという意欲が湧きます。次は「シュルレアリスム宣言」を読んでみたくなりました。

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