夢で見た作品

昨日のブログの続きです。夢の中で記憶を再構築して作り出した世界は、自分の願望がそのまま現れているように思います。夢が現実であれば、自分はもうひとつの人生を歩んでいることになりますが、そこでも自分は彫刻をやっているのです。素材に鉄を選んでいるところを考えると、やはり自分の中には金属に対する憧れがあるように思います。くず鉄を溶接し、人体の一部を作っていて、それも内部ががらんどうの穴の空いた彫刻です。廃物利用の作品で、鉄も錆びています。師匠の池田宗弘先生の真鍮直付けの細い人体作品と、私淑している保田春彦先生の錆鉄の造形がイメージの根底にあるのだと思います。昨日のブログに書いた部屋の格子棚に、それら鉄の彫刻作品が並んでいるのです。さて、夢の続きはどうなるのか、夢の中でもう一人の彫刻家に出会っている自分は、その後どんな脚色を用意しているのか、ドラマであれば楽しい展開もあるのでしょうが、やはり夢は夢なのです。その後はまったく夢を見なくなり、夢で見た作品は次第に輪郭を失い、今は霧に閉ざされた空間に放置されたままになっています。

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