頭の中のエスキース

ひとつ立体作品のイメージが浮かぶと、スケッチブック等にエスキースをしてイメージを確かめながら、平面作品として残しておきます。一日1枚のペースで小さな平面作品を作り続けているRECORDの場合も同じで、立体作品のエスキースとして画面に定着させていることがあります。ところがエスキースをしてしまうと、それだけで満足してしまい、なかなか立体として作らないことがあります。エスキースはたくさんあるのに、立体になった作品はそれらエスキースの中にはないのです。木彫や陶彫の立体作品はどんな場合に具現化するのかと言えば、むしろ頭の中でエスキースをしていて、そのイメージを覚えている場合に限って、立体として制作を始めるケースが多いのです。ですから今までの立体作品にはペーパーベースで残っているものがないのです。平面は平面として、それがエスキースであろうがデッサンであろうがタブローであろうがひとつの作品として自分は認識してしまい、立体に繋がっていきません。自分のやり方と言うか癖と言うべきかわかりませんが、立体作品を作るときは、自分は決まって頭の中でエスキースをしていると考えるようにしています。

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