RECORDに「龍」描く

今月のRECORDのテーマは「渦巻く」です。そこで、天に昇る龍を描きはじめました。龍と虎は日本古来のモチーフで、掛け軸や屏風に優れた作品が残されています。京都の天竜寺の天井画には加山又造が描いた龍、建仁寺の天井画には小泉淳作が描いた双龍図、その他にも妙心寺には有名な「八方睨みの龍」があります。身体が大蛇のような龍は昔から画家の想像力を刺激してきました。自分もポストカード大の小さな画面ですが、一日1枚ずつ渦巻く龍を描いています。この毎日描くRECORDを始めてから4年目に入りますが、龍を描くのは始めてです。今年はかなり具象傾向になっていて、それはそれで新鮮です。次第に純化して抽象化してしまう傾向を抑えて、具象に留まることは今までなかったことでした。学生時代に盛んにやっていたデッサンを追体験しているようです。

関連する投稿

  • 次のステップに向かう6月 6月になりました。そろそろ入梅が発表されてもおかしくない季節です。6月も今まで同様、工房に勤務時間があるが如く決まった時間に通う予定です。今月やらなければならないことは個展の出品作品の修整補填で、厚 […]
  • 週末の意識が薄れている週末に… 週末になりました。今月は毎日工房に通っているため、やっと週末になったという意識がありません。週末の意識が薄れている週末とでも言うべきでしょうか。それでも今までの慣習に従って、新作の制作工程のことを書 […]
  • 5月RECORDは「萌芽の眺め」 日々1点ずつ制作しているRECORDは、その季節に左右されることが多く、工房の窓からの風景を見ていると、青葉若葉が繁り、芳醇な緑に覆われて美しくなった雑木林に、心が安らいでいくのを感じます。5月のR […]
  • 3月RECORDは「蠢動の兆し」 今年のRECORDは年間を通した統一テーマを設けずに、月毎のテーマ設定をしています。1月は「心の棲家」、2月は「菌の触手」、今月は「蠢動の兆し」とさせていただきました。今月のテーマにだけ季節感を持ち […]
  • 4月RECORDは「乱舞する群れ」 春一番に限らず、この季節は風の強い日が多いと感じます。満開の桜の花びらが風に舞っている様子を見て、今月のRECORDのテーマを思いつきました。「乱舞する群れ」は花びらだけではなく、人間のイメージもあ […]

Comments are closed.