フジタが作った礼拝堂

昨日マチスが作ったロザリオ礼拝堂のことをブログに書きました。引き続き今回は藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作った平和の聖母礼拝堂について取り上げます。平和の聖母礼拝堂はフランスのランスにありますが、自分はまだ行ったことがありません。ロザリオ礼拝堂と同じようにテレビや雑誌で紹介されて、フジタ晩年の宗教画を知った次第です。日本人としての藤田嗣治の大規模な展覧会は東京で見ています。藤田は卓越した描写力と独特な陰影によって、肌理細やかで密度の濃い個性的な絵画を作り上げ、後にフランス国籍になり、名前もレオナール・フジタになっても、その本質は変わるものではないと思います。宗教的な題材は早いうちから出ているようですが、やはり晩年の礼拝堂で発揮された表現力は、それまでの藤田流絵画の面目躍如としたものがあって壮大です。フジタのアトリエも含めて、平和の聖母礼拝堂は生涯一度は訪れてみたい場所です。画像で見る限り内部空間の凝縮した宇宙は、キリスト教徒でなくても、その芸術性の高さに魅せられること間違いなしと思っています。フレスコ画とステンドガラスの織り成す空間を、じっくり味わってみたいと願っています。

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