東京上野の「土偶展」

朝7時に工房に行き、陶彫成形1点とRECORDの彩色を済ませ、午後から東京上野の国立博物館に出かけました。これはイギリスの大英博物館で開催された「THE POWER OF DOGU」の帰国記念展で、我が国の有名な土偶が一堂に会して見られるので、とても楽しみでした。期待通り土偶は大変愉快です。なぜこんな造形が作られたのか諸説あるようですが、美術的な見方をすれば、カタチが象徴として抽象化されて、新鮮な驚きを齎せてくれます。国宝になっている縄文のビーナス(長野県出土)や中空土偶(北海道出土)、合掌土偶(青森県出土)の巧みさや面白さは言うまでもありませんが、自分は有名な遮光器土偶の奇妙なカタチに眼が奪われました。このデフォルメされた顔と身体はどんな思いで作られたものでしょうか。まことしやかに宇宙人説もあるくらいの不思議さです。身体全体に施された文様は何でしょうか。鎧なのか服のアクセサリーなのか、見れば見るほど楽しさが増してきます。言うなれば土偶も陶彫で、自分の先祖が残してくれた素敵な造形物だと思います。多忙な日々にちょっと一息ついたような展示内容でした。

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