ピカソの陶芸の魅力

箱根の彫刻の森美術館に「ピカソ館」があります。自分にとって「ピカソ館」の目玉は、ピカソが加飾または絵付けをした陶芸の数々だと思っています。これは見応えのあるコレクションで、箱根に行く度にこの陶芸たちに会えるのが楽しみです。現在読んでいる「瀧口修造全集2」の中にピカソが作陶と出会う経緯の記述があります。「ヴァロリスという陶器を焼く田舎町を訪れたのが機縁となり〜略〜この町のマドゥラ窯の所有者ラミエ夫妻が彼に仕事場を提供して自由に振舞うことを許し〜略〜猛烈な意欲で制作をはじめ〜略〜その結果は1948年7月末に開かれたこの町の例年の陶器市で土地の専門家の新作にまじって新人ピカソ作陶器として発表されたが、ピカソの未知の領域に興味をもつ熱心家が遠くからつめかけて町は時ならぬ賑わいを呈したという。〜以下略〜」ピカソの陶芸は、地中海的な明るさと素朴さがあって、人生を謳歌しているような感じをもちます。天真爛漫なあどけなさが魅力になっているため、時々無性に会いたくなるのかもしれません。

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