詩人という存在
2009年 11月 19日 木曜日
「瀧口修造全集」を相変わらず読んでいます。瀧口修造は詩人と認識して久しかった自分には、全集に掲載されていた自己を振り返る文章の中で、詩集を一冊も出版していない詩人だと自身を語っていられるのを読んで、職業人としての詩人とはどういう存在なのだろうと思ってしまいました。詩を作る人が即ち詩人です。ただ詩らしきものを作る人は大勢いて、自分もその真似事くらいはやっていると自負しています。詩らしきものが巧いか下手かは別として、コトバとコトバを繋いで、そこにイメージを作り出す作業は、義務教育で習う程度の語彙があれば誰にも出来るのではないかと思うのです。コトバの組み合わせ次第で、不思議な雰囲気や不可視な世界が出現したり、それが自分の求める座右の銘になってしまったりすることだってあると思います。そうしたコトバを媒体にした心象を作り出す人が詩人で、詩を生業にしているならば職業人としての詩人なのかもしれません。ただし、職業的詩人であろうとなかろうと、詩という分野は自分にとって精神の栄養であり、感情や感性の襞に触れる表現であるため、自分がよりよく生きるために必要なものだと感じています。 Yutaka Aihara.com
関連する投稿
- 20’RECORD1月~3月をHPアップ 2020年に制作したRECORDのうち1月から3月までのRECORDをホームページにアップしました。昨年10月に9月分までのRECORD撮影が終わっています。私の月毎に添えるコトバが進んでいないため […]
- 19’RECORD10月~12月をHPアップ 2019年に制作した最後のRECORD3ヶ月分をホームページにアップしました。2019年は「~の風景」というタイトルでRECORDを制作していました。10月は「分離の風景」、11月は「拡散の風景」、 […]
- 週末 造形とコトバを考える 日曜日になって朝から工房に行きました。今日はいつも来ている美大受験生の他に文学系の高校生がやってきました。文学系の子は詩を書いたり、小説を書いてコンクールに応募しています。彼女も美大受験生同様、工房 […]
- 2月RECORDは「菌の触手」 今月のRECORDのテーマを「菌の触手」に決めました。新型コロナウイルス感染症のことが私の頭から離れることがなく、緊急事態宣言が延長されたことで、職場関連の仕事に支障が出ています。遠出を含め職場外に […]
- 19’RECORD7月~9月をHPアップ 久しぶりにホームページのRECORDを3ヶ月分アップしました。昨年10月に2019年の10月から2020年の9月分までの1年間のRECORD撮影が終わっていて、カメラマンからそのデータをいただいてい […]
Tags: コトバ
The entry '詩人という存在' was posted
on 11月 19th, 2009
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.