東京の「伊藤公象展」

昨日、上野の「トリノ・エジプト展」を見た後、地下鉄で清澄白河駅まで行き、表題の展覧会を見てきました。あえて「東京の…」としたのは5月3日に茨城県笠間の陶炎祭に行き、その会場があった芸術の森公園で「伊藤公象展」を見ているからです。その時購入した図録には東京でも開催される予定があったので、どうしようかと迷っていました。知人から招待状をいただいたので、それならば行こうかということになりました。迷った理由は、普通の陶芸作品ならもう一度見に行くことはしないと思うのですが、伊藤公象の世界は、作品が置かれる環境によって作品の感じ方が違うのです。どんな空間を与えられているか、屋内なのか屋外なのか、いわば場を創出する装置のような作品群なので、異なる美術館であれば異なる世界が生まれるわけです。実際に見て笠間と東京は印象が異なりました。笠間は土に馴染んだ環境ゆえか自然なままの土に見え、東京は張巡らされたコンクリートの中にあって異質な別世界が忽然と現れたような印象でした。同じ土で焼成したものでも、まるで違う印象に奇妙な面白さを感じました。           Yutaka Aihara.com

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