闇の世界を描く漫画

今晩のNHKプロフェッショナルでは、漫画家井上雄彦の仕事を取り上げていました。自分はあまり漫画を読む方ではないのですが、唯一「バガボンド」や「リアル」を愛読しています。作者の仕事に対する熱情や真摯な姿勢が創作に表れているからこそドラマに惹き込まれ、さらに展開されるキャラクターの心理描写に同感してしまうのでしょう。とくに注目したのは闇を描くというテーマです。自分の内面を掘り下げ、素の自分自身と対面して、人間の持つ弱さを抉り出し、それによって照らし出される光の部分をも表現するという意図に、漫画という媒体を使った文学にも劣らぬ世界観を発見しました。絵がある以上、人の表情や動きにそうしたものを語らせなければならず、卓越した描写力に加え、作者自身の心の動きが投影されてしまう世界に凄みを感じてしまいました。漫画はサブカルチャーと言われているものの今や重要なポジションを与えられている分野です。仕事場で苦しむ作者を見ていて、仕事は違えど自分にも共通した部分を見て取って、ここにも共感を覚えたひと時でした。                         Yutaka Aihara.com

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