「アフリカの美」展にて
2009年 8月 23日 日曜日
現在、MOA美術館で「アフリカの美〜ピカソ、モディリアーニたちを魅了した造形〜」という企画展が開かれていて、これは自分の興味関心のある分野なので、休日の高速道路の混雑にも関わらず、熱海まで出かけていって見てきました。かつてニューヨーク近代美術館で「20世紀美術におけるプリミティヴィズム展」があって、それに関する分厚い書籍(図録)を、自分が滞欧していた国で手に入れて持っています。その書籍はドイツ語で書かれています。(翻訳はキツいので図版だけ見ていました…)今回の「アフリカの美」展は、ピカソを初めとするヨーロッパの巨匠との作品をアフリカ民族の仮面や布と並列して、確かにその相似性を打ち出した展覧会ではありますが、それだけに留まっていない印象を持ちました。アフリカでそれらのモノが美術ではなく、儀礼や日常生活の中から生み出されてきたモノであることを捉え、さらに現代アフリカの「美術」も総括する内容になっています。いわば西洋一辺倒な考え方(ヨーロッパの芸術家がアフリカから着想を得た当時の思想)から、一歩抜け出し、アフリカ側の美術も網羅した展覧会になっていると思いました。 Yutaka Aihara.com
関連する投稿
- 週末 土台作り&美術館散策 週末になりました。新型コロナウイルス感染症で緊急事態宣言が出ているにも関わらず、気持ちのモチベーションを保ちたくて、今日は地元にある横浜美術館へ出かけてしまいました。早朝は工房に行き、新作の土台作り […]
- 社会の鬱積からの解放 武蔵野美術大学美術館で開催中の「スタシス・エイドリゲヴィチウス展」を見て感じたことは、国家が社会主義体制にあった時代に、その鬱積から心を解放したいと願って、密かに作品を作っている芸術家の姿でした。そ […]
- 横浜の「バンクシー展」 横浜駅に隣接するアソビルで開催されているバンクシーの全貌を示す展覧会は「バンクシー展 […]
- 古都で現代美術を考えた日 今月の初旬に関西に出張で行ってきました。京都にある京都国立近代美術館で開催していた「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」は現代の生活と美術の関わりを改めて考える機会になりました。現代美術と […]
- 橫浜の「エッシャー展」 既に終わってしまった展覧会の感想を述べるのは恐縮ですが、旧知の作品が多い有名な版画家の印象を改めて書きたいと思いました。オランダ人版画家M・C・エッシャーの作品を、私がいつ頃知ったか今も鮮烈に覚えて […]
Tags: 作品, 展覧会, 芸術家
The entry '「アフリカの美」展にて' was posted
on 8月 23rd, 2009
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.