「アフリカの美」展にて

現在、MOA美術館で「アフリカの美〜ピカソ、モディリアーニたちを魅了した造形〜」という企画展が開かれていて、これは自分の興味関心のある分野なので、休日の高速道路の混雑にも関わらず、熱海まで出かけていって見てきました。かつてニューヨーク近代美術館で「20世紀美術におけるプリミティヴィズム展」があって、それに関する分厚い書籍(図録)を、自分が滞欧していた国で手に入れて持っています。その書籍はドイツ語で書かれています。(翻訳はキツいので図版だけ見ていました…)今回の「アフリカの美」展は、ピカソを初めとするヨーロッパの巨匠との作品をアフリカ民族の仮面や布と並列して、確かにその相似性を打ち出した展覧会ではありますが、それだけに留まっていない印象を持ちました。アフリカでそれらのモノが美術ではなく、儀礼や日常生活の中から生み出されてきたモノであることを捉え、さらに現代アフリカの「美術」も総括する内容になっています。いわば西洋一辺倒な考え方(ヨーロッパの芸術家がアフリカから着想を得た当時の思想)から、一歩抜け出し、アフリカ側の美術も網羅した展覧会になっていると思いました。 Yutaka Aihara.com

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