「魔術的芸術」二つの大いなる…

A・ブルトン「魔術的芸術」もあと少しで終わりです。先日出かけた「ゴーギャン展」に纏わる章に差し掛かりました。「二つの大いなる綜合」という副題がついた章です。二つというのはギュスターヴ・モローとポール・ゴーガン(ゴーギャン)の二人の画家を指します。「魔術的芸術」で取り上げる芸術家はいずれも特徴があって、この二人の画家を見てみると、なるほどと頷けるものがあります。モローは神話の探求に専念し、魔術的な「眼」をもつ画家として語られ、今までの頽廃主義的な評価に厳しい論評を加えています。ゴーガンの作品もいたるところに魔術が存在すると書いていて、批評家のいう原始主義に対して批判的です。両巨匠とも「魔術的芸術」の観点からすれば、美術史の中で重要な役割があっていいはずと思えてきます。「ゴーガンの絵画はヒューマニズムなどではなく、タブローの物質的諸要素そのものから出発する神話の探求である。」という箇所が印象に残りました。  Yutaka Aihara.com

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