国宝 火焔型土器

一昨日と昨日は夏季休暇を取り、新潟県と群馬県に行ってきました。越後妻有アート・トリエンナーレと群馬の埴輪展を見るのが目的でしたが、新潟県が縄文土器を数多く出土している地域であること、とりわけ十日町市博物館にある火焔型土器を見てみたいと思ったのも今回の新潟行きにはありました。トリエンナーレを巡っている途中で、十日町市博物館を訪れて、念願であった国宝火焔型土器に会うことができました。写真で見慣れた土器ですが、その波打つ装飾の迫力に圧倒されました。日本は平安時代あたりから瀟洒で雅な芸術を生んできましたが、さらに遡る時代にこんなに逞しく生命感に溢れた造形があったとは驚きです。自然の中から誘発されたカタチをこんなふうに象徴化させたイメージは、いったいどこからやってきたのでしょう。炎がこんなふうに見えた(解釈した)のは、自分たちの先祖の中に美意識が芽生えていたと考えてもいいのでしょうか。これを芸術と扱ったのは岡本太郎でしたが、その日本再発見に感謝です。「波打つ装飾」と前述しましたが、装飾と書くにはあまりにも動きがありすぎ、装い飾るモノからかけ離れた魂が宿っているようにも思えました。

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