「魔術的芸術」有史以前の…

A・ブルトン著による「魔術的芸術」は、通念としての美術史の新たな解釈として、今興味を持って読み込んでいるところです。本書は概論の後、時代別に論じられているものの有史以前の芸術のところでゴーガンやカンディンスキー等の近代の作品を引っ張り出して、今日の未開芸術として掲載しています。加えて有史以前の時代に残されている造形における人々の精神風土を考察し、たとえば「恐怖の上に基礎づけられたあらゆる感情はこれ以後、いつまでも人間の心と精神とを支配することになったのである。」というビュフォンの引用やシャーマニズムの広範囲な影響による地域性を鑑みるくだりは、著者の豊かな知識の上に立つ洞察を感じ取ることが出来ます。前から自分の興味の対象であったイースター島やストーンヘンジの巨石文明にも触れて、その意図するところを論じているところが、個人的には面白く読むことができました。

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