車窓からみえる風景

通勤で電車に揺られている時は、ほとんど読書をしているので、車窓から外の風景を眺めていませんが、たまにボンヤリと外を見ていて思うことがあります。電車という箱モノに自分が入って、自分が歩いたり走ったりする何倍速のスピードで移動する状態が不思議でならない時があるのです。外に見えている風景はまぎれもなくリアルな世界ですが、その風景が飛ぶように過ぎ去っていく様子は、まるで仮想空間のようで、そこに自分が存在していないように思えます。存在を確かめるために走る電車から身を投じることはできませんが、一瞬で変わる風景が、次から次へと記憶を書き換えて、その流れの中では自分の存在を消しているかのような気持ちがしてきます。箱モノの内外の区切られた世界があるからこそ、外界に向けられた自分の存在を消しているとも言えます。自分の意識は、ただの眼だけになって流れる風景をキャッチしていると感じます。                   Yutaka Aihara.com

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