縄文土器への思い

新潟県に行ったことで、もう一度縄文土器を見に新潟県に来てみたいと思っています。十日町に多くの出土品があると聞いています。縄文土器を芸術として位置づけたのは岡本太郎ですが、自分も縄文土器の魅力に取り付かれている一人です。粗い作りに始原的な力があり、人がモノを作る原点のようなものを感じます。ピカソやモディリアーニがアフリカの彫刻に魅せられたように、自分も縄文土器に魅せられるのだと思います。人間の営みの中で派生する美には、説明のつかない力が宿っていると思います。縄文土器の装飾が装飾で終わらず、器全体にまるで生き物のような動きを感じさせるのは、自分の陶彫制作の発想の下地にもなっているのです。自分は縄文土器そのものをモチーフにしていませんが、現代の造形であっても人がモノを作る原点は当時も今も変わらないのではないかと思います。

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