無限に繰り返す力

昨日、アーティスト草間弥生の作品に触れたブログを書いていて、草間弥生の持つ異様な世界は、水玉や網が繰り返される単純な作業によって生み出される世界なのだと改めて思いました。単純であるが故にどこまでも広がる世界。細胞のように増殖する生命体。ひとつひとつが地道で丹念な作業は、やがて爆発するような運動を形成していきます。まさに生命の進化と同じような過程を持つ造形物だから、自分がその世界に取り込まれて、やがて魅かれていくのかもしれません。自分も集合彫刻をやっていて、時間の許す限り広げていく可能性を持つ世界です。ギャラリーや美術館を丸ごと作品で覆いたい欲求に駆られます。制作という労働の繰り返しが、やがて大きな意味を持つことに自分も関心が高いのです。自分の作品は要素が単純ではないため彫刻以外の媒体に広がっていかない嫌いはありますが…。しかしながら無限に繰り返す力をさらに深めて保ち続けたいと考えています。 Yutaka Aihara.com

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