「アララットの舟あるいは空の蜜」

表題は画家加納光於と詩人大岡信の共作によるオブジェです。学生の頃、どこかの画廊か美術館で見たことがあります。いわゆるボックスアートですが書物としての意味もあるようで、解体すると細切れになった詩が現れるそうです。その詩は読むことも出来ないほど素材に取り込まれていて、なにか謎めいた面白さを感じます。今通勤電車の中で読んでいるエッセイに詳しい経緯が書かれていて、昔の記憶を呼び覚ましながら、再びこのオブジェに興味が出てきました。いろいろなものを寄せ集め、また素材から造形して、イメージを具現化した箱物はその収まっているモノをひとつずつ解明したい衝動に駆られます。じっと眺めているだけでは気持ちがおさまらなくなるかもしれません。自分もこうした作品に魅かれる一方で、「見せない」「閉じ込める」という行為に一体どのくらい意味を持つのか素朴に疑問を感じていた学生時代に戻されていくのを感じました。                Yutaka Aihara.com

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