卒業制作を思い出す

個展やグループ展の搬入や搬出を手伝ってくれている知り合いの美大生がこの4月で4年生になり、卒業制作をどうするのかという話になりました。今まで大学から出された課題に対し全力で取り組んできた彼女は所謂優等生で、それなりの評価を得てきましたが、今度ばかりは絵画や彫刻やデザインの専攻を超えて、やりたいことをやりたいようにやればいいじゃないかと助言しました。ずっと宙を見つめていた彼女が、何をやればいいのかわからないというようなことをポツンと呟きました。そういえば自分にも同じような経験があります。漠然と非具象彫刻に憧れていた自分が、卒業制作に向けて自分の憧れをカタチにしようとエスキースを始めたのですが、一向にカタチが出てこなくて、自分が一体何がやりたいのかわからなくなってしまったことがあるのです。結局4年間やってきた人体塑造の代表作を展覧会に出した思い出があります。4年間で自分のことが把握できずに卒業した自分を棚に上げて助言していたことに気づいたひと時でした。           Yutaka Aihara.com

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