思索という制作過程
2009年 4月 4日 土曜日
造形活動への渇望を昨日のブログに書きましたが、3月まで勤めていた職場なら今週末は制作続行というスケジュールが組めたのに、今ではそういうわけにはいかず、今週末は自分のやってきた造形に対し、距離を置いて思索することにしました。いずれ図録に載せる文章もまとめなければならないので、頭で、あるいはイメージで制作する過程にしようと思います。今までの週末は朝から夕方までひたすら作業をしてきました。脇目も振らずというコトバ通りの日常でした。彫刻は素材の持ち味がイメージを左右することがあって、土を練ったり、木を彫る作業は作品のイメージを掴む上で欠かせない工程です。それは私的には健康な行為で、素材と対話をしていると気持ちが落ち着き、今を生きているという充足感が得られるのです。でも彫刻は空間に対し造形思考を提示するものなので、身体を使う作業と一体となって、常に空間を考えることをしてきました。ここで自分なりに考えてきたことをまとめ上げ、次の制作にどう展開させていくのか思索するべき時だと思います。思索こそ重要な製作過程であると思うのです。 Yutaka Aihara.com
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Tags: コトバ, 作品, 制作, 展覧会
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