「古代・現代 思索する手」展  

表題の企画展が始まりました。現代造形作家は6名、素材は木、石、鉄、陶、布とまるで異なる表現世界を集めた感がありました。対峙する古代遺物は深鉢や埴輪、勾玉等大小の出土品が置かれていました。まず、感謝したいのは考古資料館の学芸員です。こうした文化財を現代アートと並列してくださった懐の深さ、アートに対する理解があればこそと思いました。それを推進してきた実行委員会の皆様にも感謝をしたいと思います。現代の作家は古代をテーマにしている人はおられず、むしろ自分の内面世界を造形化した作品を携えてやってきていました。しかしながらそうした作品が、古代遺物と出会うと説明のつかない不思議な雰囲気が漂います。古代遺物が現代的に見えたり、我々の作品が古代から種を授かっているような繋がりを感じることができるのです。加えて我々が忘れがちなモノを作る始原的な力を古代遺物が与えてくれているように思いました。 Yutaka Aihara.com

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