「見る」ことから「視る」ことへ

陶彫作品の土台に塗った油絵の具が乾く間に、新作をじっと見ることにしました。作品を見ることは作品を制作することでもあります。制作に気が入っていくと、「見る」ことから「視る」ことへ移行し、思索と凝視は離れがたく同義となっていきます。「見る」ことに時間をかけて「視る」ことに繋げていく、それは作品の内容を思索することであり、自分の内面を覗くことでもあります。作品は自分の分身で、自分の思考や趣向が投影された物体です。「視る」ことはそうした清濁合わせた自分自身を正視することです。作品に何がしかの情感があれ、そういうものはいっさい無くしたものであれ、置かれた作品は紛れも無く自分自身なのです。「視る」ことは制作の過程です。今日はじっくりと作品を視て、自分自身と向き合いました。 Yutaka Aihara.com

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