東京の「加山又造展」

時を同じくして日本画の大家2人が個展を開催しています。2人とは加山又造と田渕俊夫です。まず今日は東京六本木の国立新美術館でやっている「加山又造展」の感想を書きます。加山又造は日本画の画壇で三山(東山・平山・加山)と言われるように有名な大家の一人で、ともかく幅広い分野で活躍した人という印象を持っています。個展の会場もかなり人が多く、大勢の人に支持されてきたように思いました。初期の動物を象徴化した作品は、まだ混沌とした迷いのようなものがあって、全体的に鬱々とした暗い感じを持ちました。画面に金銀を施したうねる波や月や花々が登場する大きな屏風になって装飾的で華麗な作風が確立し、そこから怒涛の如く幅広い表現が現れて、いよいよ加山芸術が花開いたように思いました。絢爛たる色彩表現から一転して水墨画へ変わっていっても、墨の色に色彩が宿っているように思えます。むしろ墨一色の方が深く潤んだ色を湛えているように感じました。全体を回覧してみると画面構成が巧みな人だなあという印象を強くしました。個人的には屏風という媒体に興味が出て、自分の表現にも応用できないかと思案しています。文様を屏風にすると視点に傾斜がかかり立体的に見えるのが新鮮でした。

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