「アヴァンギャルド・チャイナ」展

大阪国立国際美術館で現在開催している「アヴァンギャルド・チャイナ」展を見てきました。前に東京で開催していたのですが、見損なっていました。今回は巡回中の大阪の美術館で見られる絶好の機会になりました。中国は文化大革命以降、欧米の現代美術の動向を受け入れ、短期間の間に様々な試みをやってきたのが今回の展示内容でよくわかりました。自分の心に残った作品はスン・ユアンとポン・ユウの共作による「老人ホーム」です。これは13組の電動車椅子に乗った人物大の樹脂製人形が展示会場を動き回るもので、人形はいずれもリアルな多国籍の老人たちです。車椅子の動き回る音だけが沈黙の会場に響きわたり、異様な空間を作っていました。解説には「死体派」という異名をもつとありました。「シニカル・リアリズム」と称される人物の冷ややかな顔を描いたファン・リジュンの絵画も印象的でした。今後の中国現代美術の動向に注目していきたいと思いました。        Yutaka Aihara.com

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