彫刻制作の意味するところ
2009年 1月 14日 水曜日
毎日制作をしていて、ふと思うことがあります。作品制作はまず自分が作りたいイメージがあって、それをカタチにしたいと欲して制作をしているわけです。幸い個展やらグループ展で鑑賞者の目に触れる機会が持てていることで批評をいただいたり、認めていただたりしているのですが、こうした作品はどんな意味を持つのか、わからなくなることがあります。認められれば作品は「文化」として時代を形成するものとなり、認められなければ巨大なゴミになると考えます。基本的に作品は自分が作りたいものを作る自己満足の産物ですが、他者の存在がなければ何もないナンセンスなものと化してしまうのかと思うのです。別に人に見られるために作っていないと言ったところで、人に見られなければ認められることもないし、今自分がやっている彫刻という名の「労働の蓄積」はいったい何なのかわかりません。「いつかきっと認められると信じて…」と若い頃に仲間と飲んで喋ったことがいつまでも頭から離れず、今もそれを信じて制作に励む自分がいます。作品を巨大なゴミにしたくないと思いつつ、自己満足を認めてほしいという勝手な我儘がアートの実体なのだと考えています。 Yutaka Aihara.com
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Tags: カタチ, 作品, 個展, 制作, 展覧会, 書籍
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