「象徴主義」を窓口にして…

連休の作業中に、知り合いの美大生がやってきて「象徴主義」について調べていきました。「象徴主義」はG・モローに代表される19世紀末に登場した神秘的な主題を扱った一連の作品を指しますが、広い意味の象徴は古代から現代に至る全てのアートに当てはまるものではないかと思います。自分の作る彫刻にしてもイメージから発想したカタチに象徴としての意味を与えているわけですから、これも「象徴主義」の流れを汲むものと言えるのではないかと思えるのです。自分は様式を辿る美術史がある一方、美術哲学史があると考えます。人が作るモノに対して思考面から考え直すと平面的で一本化されたモノ作り史が有機的に結びついて、古代から現代までを角度を変えてみることが出来ると思います。「象徴主義」や「表現主義」や「構成主義」等を視点を変えてみたらどうだろうか、そんなことを考えながら今日も新作の単調な作業を続けた一日でした。                 Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 若林奮「Dog Field」展 多摩美術大学美術館で開催されている故若林奮先生の「Dog […]
  • 2013年 HPによる総括 2013年の大晦日を迎えました。今年はどんな1年間だったろうと振り返ってみると、自分にとって幸福と思える素敵な1年間だったと思っています。まず、自分を含めて家族が健康に過ごせたこと、周囲に大きな事故 […]
  • 彫刻制作の意味するところ 毎日制作をしていて、ふと思うことがあります。作品制作はまず自分が作りたいイメージがあって、それをカタチにしたいと欲して制作をしているわけです。幸い個展やらグループ展で鑑賞者の目に触れる機会が持ててい […]
  • 落款 彫りと押印 夏からやり始めていた落款が完成しました。彫刻の新作を作るたび、新しい印を彫ります。自分の作品は集合体で見せるため、パーツひとつひとつに番号をつけて組み立てるのです。パーツ(ユニット)が完成したら、和 […]
  • 錦帯橋の思い出 10年近く前に九州から中国地方を車で周ったことがありました。いくつかの印象の中に山口県で見た錦帯橋があります。夕刊を見ていたら、その錦帯橋の写真が載っていました。やっぱり奇麗なカタチをしている橋だと […]

Comments are closed.