図解 古代ローマ

表題はステイーヴン・ビーステイのイラストによる絵本です。学術的な絵本と言っていいかもしれません。古代ローマの様子、たとえば商店街や神殿、コロッセウム、波止場、大浴場といった建物とそこに集う人々が克明に描かれています。見ているだけで楽しくなる絵本です。都市に興味のある自分はこうした鳥瞰図が大好きです。いつまで見てても飽きないのです。そのうち自分の中で想像力が芽生え、絵の中に入り込んでしまうのです。昨日までブログに書いていた18世紀イタリアの版画家ピラネージにも通じるものがあります。実際に遺跡を訪ね歩くと、イメージが湧いてきて、何かを創りたい衝動に駆られますが、この絵本やピラネージの版画からもそうしたインスピレーションをいただくことができるのです。

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