ピラネージの「牢獄」連作
2008年 11月 19日 水曜日
町田市の国際版画美術館で開催されている「ピラネージ版画展」で、最も自分の心を捉えた作品は「空想の牢獄」として制作されたエッチングのシリーズです。ざっくり描かれた空間は、閉塞感はあるものの外からの光に照らされて石壁や階段、鎖や刑具が置かれている状況がわかります。連作はどれも錯綜する建築的要素が形作る空間、モノクロのコントラスト、舞台装置のような幻想的な雰囲気を持っていて、何か得体の知れない感動を呼び、自分はしばらくそこに立ち尽くしてしまいました。作品にのめり込むというのは久しぶりに味わう気分でした。自分が現在取り組んでいる架空都市に似た空気を感じたせいでしょうか。この連作が欲しい、手許に置きたいと感じたのも初めてでした。それより何かわからない、言いようのない空間に対するイメージをこの「牢獄」連作から授かった気がしています。むしろ心に留めている漠然としたイメージの方が自分には有難いのかもしれないと感じています。Yutaka Aihara.com
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Tags: 作品, 制作, 展覧会
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