「ピラネージ版画展」へ…
2008年 11月 18日 火曜日
東京都町田市にある国際版画美術館で現在「ピラネージ版画展」が開催されています。18世紀のイタリアで活躍した著名な版画家ピラネージは何かの図版で見ていましたが、内容を知ったのは谷川渥著「廃墟の美学」からです。以前この本に関するブログを書いた記憶がありますが、本で紹介されていたピラネージのオリジナルが見たいと思っていたところでした。公務の合間に急いで見た「ピラネージ版画展」でしたが、途中から目が離せなくなり、また最初の部屋に戻って初期から見直すほど気持ちが入ってしまいました。崩壊されたローマの遺跡の美しさ。透視図法で描かれた古代都市の景観の壮大さ。エッチングによる濃淡の遠近感。版画の中を目で散歩して、倒れた石柱に腰をかけて空を眺める空想に浸りながら、ピラネージ自身が奇想空想で描いた古代世界を堪能しました。現実にあったであろう在りし日のローマの姿と、崩れ去り草木が覆うローマの姿がともに印象に残り、人が構築したものの哀しさを感じることができました。
関連する投稿
- 町田の「西洋の木版画」展 先日、東京都町田市にある町田市立国際版画美術館で開催中の「西洋の木版画」展に行ってきました。私は学生時代に彫刻を専攻しながら、興味関心をもって試してきた技法が木版画でした。ドイツ表現派のざっくりとし […]
- 横浜の「イサム・ノグチと長谷川三郎」展 昨日、会議の合間を縫って、横浜の桜木町にある横浜美術館で開催中の「イサム・ノグチと長谷川三郎」展を見てきました。本展は「変わるものと変わらざるもの」という副題がついていて、日本古来の伝統文化とモダン […]
- 横浜の「バンクシー展」 横浜駅に隣接するアソビルで開催されているバンクシーの全貌を示す展覧会は「バンクシー展 […]
- 橫浜の「エッシャー展」 既に終わってしまった展覧会の感想を述べるのは恐縮ですが、旧知の作品が多い有名な版画家の印象を改めて書きたいと思いました。オランダ人版画家M・C・エッシャーの作品を、私がいつ頃知ったか今も鮮烈に覚えて […]
- 週末 版画による2つの美術展 昨夜から私の職場では職員研修として湯河原に来ていました。一晩ゆっくりお互いの仕事を振り返る機会を、私は大切にしています。夜が更けるまでお喋りが尽きない職員たちの雰囲気を、今後も継続していくのも私の役 […]
Tags: 展覧会, 版画, 芸術家
The entry '「ピラネージ版画展」へ…' was posted
on 11月 18th, 2008
and last modified on 1月 30th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.