模型作りの楽しさ

すべての彫刻作品をまず雛型で作って実作に取りかかるのが理想ですが、時間の関係やら気持ちの問題でなかなかそうはいきません。雛型(模型)作りは細々とした細工に楽しみを覚えて、それで満足してしまう結果になることがあります。それで実作作りの興味関心が薄れてしまったら本末転倒、それなら模型など作らずにいきなり実作に取りかかった方がいいのです。自分もよほどのことがない限り模型は作りません。今制作中の作品はそのよほどのことがあるので模型を作っているのです。これは実作と同時進行でやっていて実作の確認のために必要なのです。とはいえ模型作りは楽しい時間です。食事前や就寝前にちょこちょこと小刀で小さな柱を彫っています。手の中に入る小さな彫刻作品、しかも集合彫刻。机の上で空想する大きな空間。箱庭のような世界で遊んでいます。明日から週末。模型で試した空間を実作品で試す機会です。

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