眼で散歩する楽しみ

「発掘〜遺構〜」を今夏ギャラリーせいほうで発表した時、見に来てくださった人から、自分が小さくなってこの陶彫による都市空間を散歩してみたいという感想をいただきました。昨日のブログに書いたパノラマとしての広がりをもつ集合彫刻は、そうした視点からみると、どんな風景が目前に広がるのかという楽しみを鑑賞者に与えることができると思っています。SF映画のセットのようだとか、小型カメラで移動しながら彫刻を楽しみたいとか、そんな一般的な彫刻作品とは違う鑑賞方法を人から言われると、実は自分も楽しくなってしまいます。自分はジオラマを作っているわけではなく、アートとしての立体作品を作っているのですが、人が楽しいと感じる要素が自分の作品に盛り込まれていることを鑑賞者から気づかされました。パノラマとしての集合彫刻はまだまだ展開できそうです。眼で散歩できる楽しみが自分の制作の支えになっています。                    Yutaka Aihara.com

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