木の裂け目を生かす

現在彫っている杉材は上等なものではありません。杉材にしては比較的安価で売られているものです。節や裂け目があちらこちらにあり、かえってそれが面白くて購入しました。今日彫ったものもかなり大きな裂け目があり、彫っている途中で2つに割れないかとひやりとしました。生木は切り出された後、乾燥により裂け目が入るのが自然です。裂け目がなく節も少なく木目が詰んでいる材木が良質とされ、価格も高くなりますが、現在制作中の自分の作品にはむしろ節や裂け目があった方がいいのです。精緻な作品ならば良質なものを使いますが、これは地べたから数十本がニョキニョキ生えだすようにイメージしている作品なので、裂け目や欠落があってもそれを生かすことが出来ると考えています。今日も目標の2本を彫り終えて帰途につきました。

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