画家ニコ・ピロスマニ

先週行った渋谷のBUNKAMURAザ・ミュージアムで、ロシア素朴派画家のニコ・ピロスマニの作品に出会いました。ピロスマニという画家を知ったのは20年以上も前に見た映画でした。たしか岩波ホールだったか記憶がはっきりしないのですが、ピロスマニの絵画そのもののような朴訥で美しい映像が鮮烈でした。渋谷の「ロシア・アヴァンギャルド」展に出品されていたのはピロスマニが20世初頭にこの時代の気鋭な画家たちに見出された画家であったということです。ピロスマニ自身は旧ソ連グルジアの町で看板を描いては食事や酒代を稼いでいる放浪画家だったようですが、まさに時代がプリミテイヴ・アートを求め、それによって一躍脚光を浴びることになったわけです。人物はいずれも正面を向いて特徴をよく捉えた風貌、人物の他に動物を多く描いていた様子が伺えました。「へたうま」という造語がぴったりな異質で偉大な画家であったと思います。                   Yutaka Aihara.com

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