焦がした杉の柱

48本の杉の柱。7月の個展に出品する「発掘〜遺構〜」の陶彫部分を支える部分になります。陶彫は錆鉄の質に近い色合いを焼きしめて出しました。それを支える部分には杉材の荒彫りだけの処理では何か納得が出来ず、杉の柱を触りながらいろいろ思案していました。結果、杉の柱をバーナーで炙って陶彫の質感と合うようにしてみました。杉の柱は半分以上が焦げた状態になり、素材の変化に面白さを感じました。イメージとしては沈黙した都市空間を表現しているので、焦がした杉の柱はイメージをさらに鮮明に捉えられると考えました。火災や震災などの大きな災害が根底にあって、作品は現代に対する警鐘のようにも取れますが、実際には社会的で具体的なメッセージは明確化できていません。これは単純に造形作品として観ていただきたいと思います。

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