上司の説得力

組織を運営する上で人をまとめていく仕事はいかがなものか、上司に言われた言葉を思い出します。それは「あなたの主張はわかりやすい。気持ちにストンと入ってくるけど、全体を見て話す時は、もう少し含みのある言葉があってもいいんじゃないか。優柔不断でないことは認める。あなたが作品を作る時、余計なものを排除して明快なカタチを掴もうとする姿勢があるから、それが公務にも表れてしまうんだ。」といったような趣旨でした。なるほど。上司は美術には関係の無い御仁ですが、自分にとっては説得力のある言葉でした。作品を分析されて話題に出されてしまうと自分は一瞬怯みます。作品で言えば、カタチを掴む前は充分に優柔不断なのですが…。確かに自分は組織で働く上で、短絡的な考え方をしてしまう嫌いがあります。早急に結果が欲しくて概括的になってしまうこともあります。そうした人間性は作品にも表れるものです。制作一辺倒ではなく、こうしたところにも自己表現の浅はかさが見えるのかもしれません。                 Yutaka Aihara.com

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