週末の限りある時間

週末になると心が解放されて制作に没頭できる反面、時間を自分の中で封じ込めているようだといつぞやのブログに書きました。作品を制作している時の時間の経つのが早く感じられるのは集中している証でしょうか。我を忘れて木を彫りながら、杉材の節のところでは木槌に力が入り、柾目を見定めながら鑿を振るって、凝縮した時間を過ごしています。この仕事の蓄積があって完成に近づくと願っています。身体で感じる素材の実感がいいと思うのは製作工程からすれば昔ながらの方法だと思います。しかも限りある時間で何とかしなければと思いつつの実感です。昔の人が時間の観念を作り上げたおかげで、様々なことが一定のリズムで滞りなく行われてきましたが、心の解放とは裏腹に常に落ち着きなく時間に追われて制作している自分は一体どうしたものか、わからなくなることもあります。そういえば人生にも限りがありました。時間に追われるというのは、人生で何かを成すためには必ずや体感するものかもしれません。                     Yutaka Aihara.com

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