黒人彫刻
2008年 5月 2日 金曜日
決してモデイリアーニに触発されたわけではなく、ちょうど「モデイリアーニ展」を見に行った日と前後して、自分はカール・アインシュタイン著「黒人彫刻(鈴木芳子 訳)」を読んでいました。「黒人彫刻」は短い論文ながら、内容の濃いもので、とつおいつ思案しながら読み進むうち、かなり読み応えを感じてしまいました。本書はルネサンスから脈々と続く西欧美術に一石を投じ、美術を近現代に導く方向を示していると思います。アフリカの各民族が作り出す神聖な造形は、自然との協調から生まれたもので、鑑賞者を意識するあまり真実の追求を忘れていた当時の西欧美術の退廃を打ち砕く起爆剤になったと思います。アフリカ彫刻は現代にあっても造形に刺激を与え続けています。ピカソやモデイリアーニばかりではなく、ドイツ表現派の作家たちにも広く影響を与えたプリミテイヴ・アート。造形の真の魅力は、人間の根源的な力が表れた時に輝くということを改めて感じました。 Yutaka Aihara.com
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Tags: 展覧会, 書籍
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