頭の中のアトリエ

講演会などを聞いていて、ついうつらうつらと眠くなる時があります。講演の内容がしっくり心に入ってこない時は瞼が下がってきます。すると頭の中のアトリエの扉が開き、創作活動が始まります。最初に素材の感触がイメージされてくるのは、いかにも自分らしいと思います。今日はざらついた白い砂が壁を作っていて、それがどこまでも続いている風景が浮かんできました。白いという形容詞はあまりにも雑駁で、それがどんな白さか見当がつきません。頭に浮かぶのは純白ではありません。物語性のある白です。様々な色彩があって、そこに白を塗りこんで色彩を覆い隠した按配です。白は覆い隠すのに似合う色だと思います。白には何も無かった状態に戻す心理が働くせいかもしれません。そんな意味のある白い壁がずっと続いていました。現実に引き戻されると、頭の中の白い壁は象徴化されて、作品にしたくなるのです。イメージはそんなところから湧いてくるのかもしれません。    Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 21’図録の完成 5月30日に個展用の図録を作るための撮影を行い、今日新しい図録1000部が自宅に届きました。図録は16冊目になりますが、毎回同じサイズ、頁数で作っています。図録は前頁カラー版で正方形の冊子になります […]
  • 個展案内状の宛名印刷 今月の19日から始まる私の16回目の個展。今年も東京銀座のギャラリーせいほうで開催します。先日、案内状が1500部出来上がってきたので、ギャラリーには1000部持参しました。私からは私の友人や知人に […]
  • 7月RECORDは「揺らぐ楼閣」 RECORDは一日1点ずつ制作していく小さな平面作品で、2007年から制作を開始しています。一日1点というのはなかなか厳しいノルマで、その日がどんな状況であれ、必ず制作をしていくのです。毎年テーマを […]
  • 21’個展図録の色稿と案内状印刷 来月の個展に関する図録の色稿が出来上がってきました。今度の個展で16回目になりますが、図録に関しては1回目から同じ大きさ、同じ頁数で作っています。案内状(DM)は1500部印刷されて手元に届きました […]
  • 「 《オヴィリ》1・2」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第5章 タヒチ滞在(1891~1893年)とパリ帰還(1893~1895年)」の「3 […]

Comments are closed.