都市の変貌を考える

自分の居住空間から職業に従事している空間までが自分に認識できる都市空間です。よほどの放浪者でない限り、自分が住まう都市の全貌を自分の足で確かめることはできません。自分は大きな都市機構の一部に加担して生活をしているわけですから、今ある都市が変貌を遂げていく過程を見極めることはなかなか困難です。人は利便性のある土地に集まり、生産を繰り返し経済を活発にします。時代とともに利便さが変わり、人の価値観も変わり、都市は別の土地へ移動していきます。行政が都市を企てることもあります。過疎化した都市は、もう都市と呼べるような機構を持ち合わせず衰退していきます。それは人の流れが全てを決めていきますが、都市はそこに生活している人々を盲目にさせ、人と人とを分かち、より発展する都市へ靡く人と、そこに思い留まる人とを作り出すと考えます。人の心情まで写し出す都市の存在に、日常を離れて思いを巡らせてみました。              Yutaka Aihara.com

関連する投稿

Comments are closed.