田中一村終焉の家
2008年 3月 26日 水曜日
奄美大島最初の訪問先は日本画家田中一村の足跡でした。50歳にして奄美に移り住み、69歳で亡くなるまでの間に、それまでの日本画では取り上げられなかった南国の風物を、独特の構成と卓越した描写力で描きあげた作品がNHKで放映されて反響を呼びました。現在奄美パークというモダンな施設が空港の傍にできて、そこに田中一村美術館が併設されています。高倉を模した建築の中で、一村の代表作を見ることができました。次に訪れたのが名瀬にある田中一村終焉の家。粗末な一戸建てで、ほとんど掘っ立て小屋といっていいくらいのアトリエでした。中は見られず、周囲の板壁も朽ち果てているような状態でした。こんな小さなところに籠もって、ひたすら絵を描いていたのかと思うと胸がつまりました。染色工として働いて金銭ができると絵を描く、よほどの決意がなければ出来ないことです。しかも画壇と関係せず、孤高の人として…。認められなければ徒労に終わる人生、いや、きっと創作が楽しくて、絵の魅力に取り付かれてやっていたと思うのです。自分のことを重ね合わせると、それもあり得ると感じます。自分も創作にハマると世間なんてどうでもよくなってしまうからです。一村も自己満足という幸せに浸りながら、己が納得できる世界を構築したのだと考えました。 Yutaka Aihara.com
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Tags: 作品, 書籍, 画家
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