閉塞された空間

先日行った横須賀美術館の「若林奮展」に地下鉄の構造を示したデッサンがありました。地中に埋もれている空間には自分もかなり興味があります。幼い頃、家の近くの田んぼで遊ぶうち、脇に川が流れていて、その川を遡っていったことがありました。すると川はコンクリートの筒状のトンネルの向こうから流れていたので、どんどん奥に入っていったら闇に支配された空間に恐怖を覚え、光を求めて引き下がってしまった思い出があります。まさに閉塞された空間。自分は閉所恐怖症ではなかったはずですが、どうやらその頃から閉ざされた小さな空間にいると耐えられなくなる性分になったようです。でも興味は尽きず恐怖体験と造形思考はまるで異なっていて、閉塞された空間を創造したいという欲求があります。何故でしょうか。自分でもよくわかりませんが、地下鉄にワクワクしたり、外国の地下墓地や地中都市にドキドキ胸を躍らせていたりします。長く居られないくせに、そこに造形の面白さを感じるのは不思議です。                    Yutaka Aihara.com

関連する投稿

Comments are closed.