ムア・在るがままの存在
2008年 2月 5日 火曜日
河原で石ころを拾うと思わず「これはヘンリー・ムアだ」と呟いてしまうことがあります。水に洗われ風に晒されて造形された小さな石ころが、まさにムアの作る彫刻に近いボリュームを感じるのです。在るがままの自然(存在)、これがムアの彫刻なのかもしれません。自分は学生時代に人体を塑造することで彫刻の世界に足を踏み入れました。ボリュームのある塑造が自分の理想でした。イギリス彫刻界の第一人者であるヘンリー・ムアの豊かな塊をもつ彫刻は自分の理想でした。自分が憧れた軽やかな造形はその後に出てくるもので、初めはロダンでありマイヨールであり荻原守衛であり、やや抽象傾向を求めるとすればムアでした。抽象傾向と言っても大地から現れたような存在感をもつムアの彫刻はまさに具象の王道をいく造形とも言えます。母子像のようなテーマは命の源を表現していて、その大きさに健康的な精神が宿っていると感じています。 Yutaka Aihara.com
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